営業力とは、個人力とチーム力の掛け算である

営業力とは、個人力とチーム力の掛け算である

2024/08/02

営業力とは、個人力とチーム力の掛け算である


テーマ②「営業力とは、個人力とチーム力の掛け算である」

 ある中小企業のA社長より業績向上、営業力向上について相談を受けました。その会社は個人のお客様を相手に、高額商品を販売しています。

    A社長「吉田さん、4~5年前より、ある拠点の売上が低迷しています。売上向上のために、営業力向上の取り組みを行っているのですが、なかなか成果が上がりません。」私は次のように質問をしました。「具体的にはどのような取り組みをされているのですか?」A社長「売上低迷の原因は各営業個人の営業力が低迷していることと考えています。売れる営業と売れない営業の差をなくすため、成績不振者に対し、個別指導を行っています。モチベーション向上のための面談、ロールプレイング、営業現場での同行指導などです。」吉田「なるほど、それは良い取り組みですね」A社長「各営業のスキルさえ上がれば拠点は目標達成できるはずです。」その後、業績向上のための支援を行うこととなり、まずは現状分析のための営業組織診断を行うこととしました。

 ◆「課題を的確に分析できているか」

    一言で「営業力向上」と言っても、顧客訪問回数の増加、商品知識の向上、お客様への提案力など、やるべきことは山のようにあり、何から手を付ければ良いのか分からないというのが実際のところでないでしょうか。そのような場合、是非、左の図で貴社の営業力の現状を分析、把握してください。どこに課題があり、改善すればよいのかが明確になるはずです。

    営業力は個人の力を伸ばすだけで向上するわけでもなく、仕組みを改めるだけで改善するわけでもありません。あくまでも個人とチーム両面から手を打つことが必要です。個人の力とは、次の4つです。①ヤル気、②行動力、③知識、④商談力。次にチームの力とは3つです。①標準化、②行動管理、③顧客管理。

 20年以上前、まだ日本が人口増の時代は、個人のスキルを伸ばしていけばある程度、営業力は向上し、売上はついてきました。しかしながら、いまは、人口爆減時代。待っていてもお客様はやってきません。また、ネット、SNSにより情報は簡単に取得でき、小手先の話法やスキルが通用しません。つまり、個人の力を伸ばすだけでは、目標達成どころか売上は低迷してしまいます。個人の力の向上とともに、チームの力をどのように伸ばしていくかが、いまの時代の営業の肝となります。

 それでは、営業力を構成する各項目はどのように伸ばしていけばよいでしょうか。それが次の通りです。

個人の力

①ヤル気

    成果が上がればヤル気は後からついてきます。また、意見や発言を認め、自分が組織に貢献しているという感覚を持つことができる環境をつくることも重要。

②行動力

    本人の自覚と、スケジュールの明確化。そして、上司のチェックと的確なアドバイスにより、行動力増の習慣化を図ってください。

③知識

    営業に必要な知識は、商品知識、業界知識、顧客知識、社会知識の4つ。上司・先輩によるOJT。そして、資格取得や本・新聞を読む習慣、いわゆる自己啓発によって高めることができます。

④商談力

    アプローチ力、情報収集力、提案力、クロージング力。自身で高めていくことは難しく、研修や上司の営業同行が効果的です。

チームの力

①標準化

    営業トークや営業ツール・資料を作成する。提案の切り口や成功・失敗事例を共有し、営業力の底上げを図っていってください。

②行動管理

    訪問件数、有効面談数、提案数、受注数等を数値で管理。必要な行動が取れているかや、見込み案件を適切なタイミングでフォローできているかを「見える化」し確実に営業マンを動かすことです。

③顧客管理   

    顧客を「成長性」と「売上貢献度」により、ランク付けし、ランクに応じた行動を確実に行うことです。また、継続的に顧客の満足度を高めていく施策を実行しなければなりません。

◆リーダー自身が常に向上しなければならない

    営業リーダーの皆さん、自らの組織・部下の営業力を向上させたいと思うのであれば、過去の成功体験や経験則に胡坐(あぐら)をかくことなく、客観的な視点で自組織を分析してみてください。手をつけなければならない項目は山ほどあるはずです。そのために現場に積極的に出て、また部下の3倍は勉強をする必要があります。

ポイント

営業力向上を個人任せにしてはいけない。個人だけでなく、組織として取り組むことで飛躍的に成果は上がっていく。

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