◆新入社員からの質問
本日、入社から間もなく1年が経とうとする社員向けに「2年目に上がる直前のステップアップセミナー」という研修を行いました。その中で、テーマを絞らない質問を無記名で募ったところ、「飛び込み営業が上手くいくコツを教えてください」、「飛び込み営業が苦手で訪問してもお客様と全く会話ができません」など、飛び込み営業に関する質問が5件もありました。今回の研修の参加者は営業以外の方も含め約80名。その中の5件ですので、飛び込み営業をする機会は意外にも多い、という印象。まだ実践経験が浅い新人の度胸を付けるため、経験値を増やすために行っているケースもあるのでしょうか。しかし、せっかく実施するのであれば、成果にこだわってほしいものです。
いまの時代、新規顧客との最初の接点は、DMやHPの問い合わせ、メールなど訪問しないインサイドセールスが主流になっています。しかし、顔を見て会話ができる飛び込み営業は、信頼関係構築の強力な営業手法とも言えます。私も経営支援センター(ブリングアップ)に入社した際、毎日のように飛び込み営業を実施することで鍛えられた経験があります。また、弊社の研修の看板メニューの一つである「飛び込み営業実践研修」は他の研修会社がリスクのため実施しなくなったこともあり、非常に多くの引き合いがあります。
◆飛び込み営業は時代遅れか?
最近は、「飛び込み営業は時代遅れであり、やるだけ時間のムダ」という風潮があります。しかしながら、そのようなことを言う人間、組織に限って苦しんでいます。なぜなら、営業とは、数をこなすこと、失敗を重ねることで、成果を上げるヒントをつかみ、個人も組織も実力がついてくるからです。研修講師や上司から、机上でやり方を教わるよりも、実際の現場で経験値を積む方が、よほど営業力向上につながります。リーダーの皆さん、ただ効率を追い求めるだけでなく、メンバーに飛び込み営業をさせてください。そうすることで、強い営業部隊を構築できることは間違いありません。それでは、成果につながる飛び込み営業はどのようなポイントを抑えるべきでしょうか。それが次の通りです。
◆成果につながる飛び込み営業のやり方
①量からしか質は生まれない
営業は確率論でもありますので、母数(訪問件数)が増えれば見込みや成果につながる件数もあがります。また、件数を重ねることで次につながるトークや、全く響かない言葉などが分かってきます。また、最初抱いていた恐怖感も経験により薄れてきます。「今日は50件回るまで終わらない」などと、件数にこだわってください。
②一人でやらない
人間は性善説でもなければ性悪説でもありません。放っておけばくじけてしまう、性弱説です。最近、書店ではキーエンス関係の著書でこの性弱説という言葉がブームになっていますが、私は10年以上も前から言い続けてきました。「弱い」からこそ、複数名で同時に行い情報共有や声がけを行う。「弱い」からこそ上司がキチンと件数をチェックしてあげ、鼓舞する言葉を投げかける。一人でサボらず飛び込みができる営業マンなど、50人に一人もいません。
③ターゲット(リスト、地区)は選り好みしなくてよい
自社の商品やサービスを購入してくれる先の検討をつけながら、回るのでは効率が悪すぎます。検討しているうちに、訪問しない理由探しになりがちです。当初は予想もつかなかった先から見込みにつながることも多くあります。だからこそ、オフィスビルであれば1階から最上階まで、住宅地図であれば、見開き1ページの企業・住宅をくまなくローラー訪問する。選り好みしないことが重要。
④第一印象の重要性
服装は乱れていないか。清潔感はあるか。大きな明るい声で挨拶ができているか。笑顔を浮かべているか。第一印象は6~7秒で決まります。第一印象が悪ければ挽回は難しく、逆に第一印象が良ければ良い展開につながります。
⑤初回訪問で決まることはない、まずは信頼関係
最初から売り込みオーラ全快でアプローチを行うことは、強い警戒心を抱かせます。まず、「こちらの地区担当で挨拶をしています」など声がけをし、信頼してもらうことを目標にしてください。名刺や情報をもらい、次の訪問や、電話で具体的な提案につなげていきます。実際に、2日間のカリキュラムである弊社の飛び込み営業実践研修でも、初日に挨拶を行った先から2日目に購入に至るケースが実に多いです。また、初回訪問から2回目アプローチまで時間を空けないことも大切です。
⑥相手をほめる
「素晴らしいオフィスですね。」「かわいいワンちゃんですね。」ほめられて嬉しくない人間などいません。その人の見た目やキャラクターをダイレクトにほめるのは不躾ですが、持ち物やご自宅・事務所の様子などは積極的にほめて、距離を縮めてください。
⑦合わせ技一本
何も接点のない先にアプローチをするのではなく、あらかじめチラシを投函する、DMをまいた先に飛び込み営業を行うことで確率が上がります。お客様との親密度は接触回数によって決まります。「どこかで見たことがある」会社の営業マンは受け入れられる可能性も高まります。
⑧断られてあたりまえ。選ばれるのではなく、お客様を見つける
飛び込み営業など断られてあたりまえです。1回断られ、都度心が折れていたのでは、成果は出ません。断られたお客様は縁がなかっただけ。合うお客さまを見つけに行く、という気概で飛び込みを継続してください。
【ポイント】
飛び込み営業は営業力向上に非常に有効な手段。リーダーは組織を強くするため、強制的に飛び込み営業の時間を組み入れよ。
株式会社経営支援センター チーフコンサルタント 吉田 敬真