■高収益企業の条件
「生産性」=「社員一人当たりの獲得粗利益」と言える。平均年収が2200万円を誇る超高収益で有名なキーエンス。一人当たりの獲得粗利益は、なんと年間2億5千万円。月に換算すると一人当たり2080万円だ。中小企業においても、メーカーなら月一人当たり150万円以上。販売、サービス業なら100万円以上の社員一人当たりの粗利益獲得がまずは目標。経営とはゴールのないマラソン。常に安定した利益を叩き出せる考え方と仕組みが必要不可欠。そのポイントは次の7点。
1.金利上昇に伴う営業利益の拡大
借入過多の企業は財務戦略の見直しが求められる。長短の借入と内部留保の差引で一円でもプラスを実質無借金という。借金が悪いというわけではない。経営は一言で表現すると「バランス」だ。借入金利の5倍の営業利益を目指す。新たな借入がない前提だと8年で借入はゼロになる。仮に年間支払い利息が500万円だとする。その場合、2500万円の営業利益が必要。この業績だと何の問題もない。
2.営業利益から逆算し売上高目標を設定せよ
営業利益目標を1億円とする。そこに前期販管費を参考に総額を決定。販管費が5億円とすると、必要粗利益は6億円。25%の粗利益率だと売上高目標は24億円となる(6億/0.25)。
3.赤字顧客、商品の見直し、拠点の統廃合
大局的かつ、数値、データで鋭い分析が必要。縮小マーケットにおいて最も重要なことは「利益の最大化」だ。売上を伸ばすことが利益拡大に直結するかといえばそうでもない。売上を捨てることで逆に利益が伸びることもある。遠方顧客。低粗利益率の顧客や商品。いつになっても黒字化しない事業や部門。経営とは始めるより辞める方が難しい。
4.幹部に「利益責任」を押し付けろ
まずは管理会計制度を構築し最終利益まで明確にする。制度導入はそんなに難しいことではない。やろうと思えばすぐにでもできる。部門長に対しては「利益目標」を何が何でも達成せよ、と強く指導することだ。そうすることで売上の上げ方、粗利益率改善のポイント、人を動かすマネジメント。考える部門長に変身する。何よりも赤字はマズイと我が事のように考える。それがミニ経営者なのだ。
5.自己資本比率50%以上を目指せ
銀行から楽々と融資を受ける目安として営業利益の黒字化と自己資本比率20%が最低条件となる。国内の99%が中小企業で労働者の70%が就労している。上場企業のように恵まれた待遇は、ごく一部。資金繰りにアップアップしている企業が実際は多い。自己資本比率を高めるには、
①利益を上げ、納税し内部留保を高める
②増資
③売掛金や在庫を見直し、総資産を圧縮する。
その3点。まずは3年間で10%自己資本比率の向上を目指せ。
6.健全な投資があってこそ安定成長につながる
利益が出ない企業は採用もできず、社員のモチベーションも低い。そして設備更新も諦め、生産性も著しく低下する。利益が出なければ打つ手は限られ、結果的に淘汰される。逆に利益が出ると様々な手が打てる。M&Aや事業譲渡も選択肢。貯めたお金をどう使うかが経営の真骨頂だ。
7.「率=質」。常に増収増益を目指せ
①粗利益率が向上しての売上拡大は成長。②粗利益率が低下しての売上拡大は膨張。③「粗利益率が低下しての売上減少は衰退、この状況が2年続くと赤字に陥る」。売上拡大は、行動力と提案力。粗利益率改善は商品、サービス、何といっても人の質である。高収益企業は人材育成にお金と時間をかけている。効果がない、コストが高い、このような考え方だと人は育たず、衰退の道は避けられない。
■納税は最大の節税であり社会貢献
新卒でコンサルティング会社に入社。若い頃から「赤字は悪」「納税は最大の節税」と強烈に叩き込まれていた。いや洗脳に近かった。30年前の創業時、年商5億円、利益トントンの販売会社のコンサルティング先。その会社を全面支援し6000万円の経常利益を達成。社員にも多く分配できると経営者も喜んでいた。しかし、である。決算後の納税に「税金を払うために経営していない」と激高。その後、出入り禁止。それから10年後にその会社は破綻。納税できない企業は財務基盤が弱く有事に耐えることはできない。納税することで企業は成長する。そして雇用を守る絶対条件だ。
株式会社経営支援センター 国吉拡
ワンポイントトーク
【毎年、毎年の黒字継続、利益の積み重ねが、財務基盤を強くする。】