企業業績は部門長、店長で全て決まる!!

企業業績は部門長、店長で全て決まる!!

2022/11/01

企業業績は部門長、店長で全て決まる!!

■円安、底無し大不況がやって来た

 失われた30年。日本は変化を嫌い、競争を避けた結果、新しい産業を産み出すことができなかった。所得も上がらず国民一人当たり1000万円の借金を抱えている。これは先進国でダントツだ。悲惨なことではあるが、若い人間や後世にこの借金を押し付けることになる。この円安で海外依存度の高い食料品、エネルギー価格が高騰し、消費にブレーキがかかる。これは悪い円安で、底無し大不況の到来だ。

■急激に変わる市場

 コロナも落ち着き入国制限も撤廃。市場も思いっきり変化する。そのポイントは次の通り。

1.コロナ特需の業界は在庫過多、価格下落に苦しむ

 建築資材、住宅、衛生商品、ECサイトとコロナの恩恵を受けた業界も実は多い。当時は品薄で仕入れ価格も跳ね上がり在庫もできるだけ多く持った。しかしながらアメリカを中心としたインフレで金利が上昇し世界の消費が鈍っている。物はあまり価格が一気に下落。安い商品が大量に日本国内に流通しはじめた。高く買った在庫品をどう処理するのか、傷の浅い出口戦略が重要となる。

2.素材高、エネルギー高、人件費高のトリプルパンチ

 国内9月の企業物価指数(企業間の取引き)は前年比約10%上昇。しかしながら消費者物価指数(消費者が直接購入する)は3%上昇。その差額が7%。これは企業間の取引でどこかが上昇したコストを吸収したことになる。今後要注意はエネルギーコストだ。特に工場のエネルギーコストは2倍近くになり驚くほど跳ね上がる。最低賃金アップも大きなコスト高要因。これまで以上の売上や粗利益の確保がないとトリプルコスト高で赤字に転落する企業が続出する。

3.中国の低成長、台湾有事

 これまでのオキテを破り習近平主席が異例の3期目に入った。いまだゼロコロナ対策を徹底しており中国の経済成長も期待ができない。アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国であり14億人の人口を有する。その中国の成長がないと世界経済に大きなダメージを与える。もう一つが台湾有事だ。これは日本有事ともなる。一寸先は闇。日本は平和が日常である。しかし、そこのリスク対策は恐ろしく遅れている。何もないことを祈るが、この5年で何かが起きるはずだ。

■変化に対応できない部門長が企業をダメにする

 先に記述した「円安底無し大不況」「急激に変わる市場」とすさまじい勢いで世の中が変わっている。それでも企業はしぶとく生き残らなければならない。「変化対応=基本の徹底×決めたことをやり切る力」しかしながら業績責任を持つ部門長自らが変化に対応できず、目標未達の原因となっているケースが本当に多い。そのような部門長の思考はGM病、つまりグチとモンクの会社批判が根底にある。言葉も「でも」「つもり」「くれない」を連発。完全なる原因他人論。これまで優秀だと思っていた幹部が変化に対応できなければ一ヶ月後には過去の人間となる。

■部門経営、店長経営を推進する着眼点

 業績は部門長、店長の力量で全て決まる。部門長、店長が優秀なら部下の成長も速く目標に向かって何の迷いもなく一直線に走り切る。目標達成する着眼点は次の7点。

1.部門長、店長の強烈な目標達成意識

 目標達成意識の高い部門長は数値にめっぽう強く、記憶力も抜群だ。部下の電話内容を聞いただけでその顧客名までズバリ的中する。部門長の強烈な目標意識は当事者意識とも言える。つまり全て我がことと考えている。だから緊張感漂う風土を創り上げることができる。組織風土は戦略にも勝ることを忘れてはいけない。

2.現場主義を貫きデータと向き合え

 部下の得意先を部下以上に把握している。そして、その顧客のこれまでの取引実績や取引経緯もしっかり頭に入っている。だから具体的指示が可能になる。部下からの報告や日報を見るだけで危機察知センサーが働き、これはマズいと事前に手を打ちクレームを未然に防げるのだ。

3.目標達成までのあらゆる「不足」を知る

 目標達成するには何が不足しているのかを的確に押さえることだ。顧客件数、値上げ、新規開拓、上位顧客のシェアアップ等々。その不足を明確にした上で具体的対策を打ち立て即実行に移す。このシンプルな流れを一切妥協なくやり切ることで必ず目標は達成する。

4.部下一人ひとりに目標数値を徹底し叩き込め

部下に先月の実績は?と聞いて瞬時に答えられるか。今日現在の実績は?これまた間髪入れずに答えられるかだ。目標とは数字と期限がつきもの。そんな基本的なこともできていないのに営業支援ツール(SFA)を導入しても全く機能しない。まずは基本を徹底し体得することである。

5.部門長は目標達成する施策、ポイントに常に絡め

 業績を左右する重要施策に常に絡むことだ。例えば大きな売上目標を持った営業マン。逆に低迷する営業マンのフォロー。売上が期待できる新規先、見込案件。戦略的に実施するイベントの集客、等々。外してはいけない大きい固まりとなる売上にはトコトン絡むことである。その絡み具合が部門長、店長の仕事の優先順位となる。

6.仕事のロスを発見し生産性を高める

 工場なら不良品ゼロ。配送は遅配、誤配の防止。その中で営業は最もロスが多い。受注可能性が低いにも関わらず何時間もかけて作成する見積り。訪問しても担当者が不在という空振り営業。部門長は鋭く見抜き的確に指示を与えることだ。受注の可能性が低い先には時間をかけない簡易見積り。しっかりアポを取った訪問。ロスを防ぎ、その時間を有効活用すると確実に30%生産性は向上する。

7.先行管理の定着は部門長の危機感次第

 一年間の方針を決める。そして目標達成までの「不足」を確認する。大きな売上を担当する営業マンをフォローする。今後「柱」となる得意先や見込先に徹底し絡む。それによって目標達成の設計図やイメージができるはずだ。例えば11月はOK、12月がもう一息。1月がかなり厳しい。今から12月対策、1月対策も同時に進める。これが先行管理。3か月先の目標達成までのイメージが浮かばない部門長、店長は完全なる危機感の欠如である。

■鬼のような恐さと、仏のような優しさを持つ部門長たれ

 かれこれ30数年前。若かりし頃、当時副社長で亡き太田琴彦さんにはずいぶん鍛えられた。役員をよびつけ今では考えられない厳しい言葉で𠮟りつけている。その役員は直立不動。震えている役員の手がいまだ脳裏に浮かぶ。その太田副社長のカバン持ちも私の担当だった。移動中、戦争体験や経営の神髄、コンサルタントとしての姿勢を耳にタコができる位、聞かされた。そんな太田副社長がちょっと成果を出した私にニッコリ笑って「良くやった」と褒めてくれる。まさに、仏のような表情。仕事への情熱がとにかく圧倒的であった。しかしこれこそが時代は変われど本物のリーダーシップだと今でも思っている。(株式会社経営支援センター 国吉 拡)

ワンポイントトーク
【部門長は結果でしか評価されない。目標達成こそがリーダーとしての絶対条件だ!】

お電話でのお問い合わせはこちら

03-5877-2540

FAX:03-4500-9660

よく読まれている記事