いま若手社員が、上司・リーダーに求めていること! (2021年9月号)

いま若手社員が、上司・リーダーに求めていること! (2021年9月号)

2021/09/01

いま若手社員が、上司・リーダーに求めていること! (2021年9月号)

■若い世代の活躍が目立った東京オリンピック 
金メダル27個、計58個のメダルと過去最高の成績を収めた。特に若い世代の活躍がひときわ目立つ。お家芸の柔道、体操から新種目のサーフィン、スケートボードまで。圧巻だったのは、世界で全く歯が立たなかった陸上中距離でも20歳前後の若い選手の入賞が相次いだ。彼らのコメントを聞くと実に爽やかで、自分のために競技を楽しんでいる。「国民のため、日の丸を背負って」という気負いやプレッシャーがなく、自分の力を存分に発揮している。これが若者の強さ。ビジネスも同様だ。若手社員の能力を引き出し、そして発揮できている組織は間違いなく強い。

■20代の社員がヒーローになる組織を創り上げろ
私の若い頃の話し。ある部門長となった。部下10人、売上、粗利益、そして利益目標まで明確だ。それとは別に自分なりの目標を2つ掲げた。①一人あたりの利益を全社No.1(生産性重視)②人材発信部門になる(優秀社員の育成)。若さそのものが最大の武器。ワイワイ、ガヤガヤでいとも簡単に数値目標をクリア。確かにクレームや回収不能と言ったマイナス面も多々あった。しかし、それを上回る圧倒的な目標達成でマイナスが目立たないのだ。これまでも何度も記載しているが、若い社員が主役になる組織は勢いがあり、業績も一直線に伸びていく。これは今も昔も、そして今後も全く変わらない。

■若手社員の悩み
顧客に徹底して入り込むコンサルティングを実践しているため、本気の悩みを垣間見ることができる。先輩や上司から見ると、いつの時代も「甘い」世代に思えるだろう。実際はそうでもない。若手社員の本音の悩みにどう上司、リーダーは対処するか?次の5点を参考にしていただきたい。

1.会社に貢献、役に立ちたいと本気で考えている。

 与えられた目標を達成することが会社貢献なんだ。そこを認識させることが重要。こんな小さなことと若手社員は思っている。若手社員全員が達成し継続したら凄いパワーになる。そして、できて当たり前をよくやった。と大きく褒めることだ。タチの悪いのは小さな目標達成に無関心な上司・リーダーが存在していることだ。

2.寄ってくるなオーラ全開の上司、先輩が居る

 口ではいつでもウエルカム。しかし当の本人も目先の仕事で忙しい。悪気はないも若手社員は近寄りがたい。上司や先輩社員は自分がそういった「空気」をかもし出していないか?を考えるべきだ。いま忙しければ「何分後に来て…」と冷静な対応が必要。己の忙しさが若手社員のモチベーション低下に繋がっていないか、考えてもらいたい。

3.もっと丁寧に教えて欲しいと思っている

 「自分の背中を見て部下は育つ」これは昭和の部下指導。そんなことをやって育つのは100人中1人くらい。いまはスポーツでもジュニア時代から丁寧に指導する。実は丁寧に指導する、その丁寧とはズバリ基本のことだ。その基本を若手社員に体のすみずみ、刷り込むまで徹底指導することである。それができれば自然に伸びていく 。

4.休日出勤する先輩が多く不安を感じる

 「仕事とプライベートは全く別」そこを上に立つ人間は理解しなければならない。いまの若い世代はどんなに賃金が高く、やりがいあっても残業や休日出勤が多いと長続きしない。そこは時代の流れ。時間内で生産性を向上する仕事のやり方、進め方に改善、改革を促すことだ。

5.成長させてもらう上司を切望している

 厳しい上司であっても自らが成長するのなら若手社員は素直に受け入れる。大切なことは、確実に成長しているかを本人が感じているかどうかだ。常に目標達成している。「変わった、成長した」と周りから言われる。仕事の話しをしたとき、自らの意見が尊重される。誰もが過去を振り返ったとき、あのときが一番成長したと思える上司は実に厳しかったはずだ。

■若手社員のタイプ別指導法

 若手社員にも色々なタイプが存在する。最近多い若手社員をタイプ別にまとめてみた。その指導着眼は次の5点。

無気力、無関心タイプ

 仕事に対する前向きな姿勢が全く感じられない。やる気はあるかと上司が聞くと「普通です」と真面目な顔で返答する。この場合、これからの人生を上司とともに真剣に議論することが重要。何か気づけば変わるはず。それでもダメなら配置転換で環境と上司を変えるのもアイディア。それでもダメなら次の道を選択した方が賢明で本人のためでもある。

②チャライ、軽い、ノリで仕事する

 ノリで仕事をして、それなりに結果を叩き出してはいる。しかし、今のやり方では一年後、成長が止まってしまうと厳しい指摘が必要だ。上に立つ人間は、いま結果を残していても、これが続くかをシビアに判断することだ。結果が出ているのに苦言を呈すのはなかなかできない。やり方を修正し、新たにやるべき追加項目を明確にする。これが人を育てる秘訣。さもなければ、成長は止まり短期間に消え去っていく。

コミュニケーションが取れないタイプ

 真面目で頭も良い。資格も一発クリア。しかし、社員や顧客とコミュニケーションが取れない。性格的には内気なタイプでいま風でいうと「オタク」っぱいところがある。指導方法としては報連相が一番効果的だ。笑顔で話す。笑顔で挨拶する。笑顔で人と接する。表情は明るく、人に関心を持ち、積極的に人と関わる。性格は変わらない。しかし態度は変わる。そう信じ、粘り強く指導せよ。

気づきのレベルが極めて低いタイプ

 気づきのレベルを上げるには、躾の徹底と目標達成への執念が絶対的に必要となる。メジャーリーグで大活躍の大谷翔平選手はグランドに落ちているゴミをさりげなく拾う。アメリカ人でもその行為を賞賛する。一流プレーヤーの前に一流の人間と評される。家庭や学校で教えられた躾を企業でも継続指導することだ。それと目標達成への執念、情熱、その想いがあれば気づきのレベルは高くなる。何をやったら顧客は喜ぶのか?を事前に察知し即行動できる。

すぐ他責(人のせい)にするタイプ

 そこには大いなる勘違いがある。自分は一生懸命やっている、と。簡単に言うと文句たれなのだ。そして、そのタイプは素直さに欠けるのも共通点。20代で他責を自責に変えることができなければ生涯、完治は難しい。指導方法としては、できなかった原因は単に自分にある精神をトコトン伝え、指導することにつきる。失敗の矢印→は自分に向ける。上に立つ人間は三年間その指導を続けることだ。

■若い社員が全力疾走できる体制をつくるのが上の仕事

 若い社員は決して居心地や緩さを求めているわけではない。結果を出し何だかの貢献をしたいと思っている。しかし、その具体的なやり方がわかっていないだけなのだ。そのやり方を個別で指導するのが上司、リーダー、先輩社員である。一度、覚えたら成長は恐ろしいほど早い。翌日には別人のように活躍する若手も珍しくない。(経営支援センター国吉拡)

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