勉強をして知識を身につけよう

勉強をして知識を身につけよう

2023/07/25

勉強をして知識を身につけよう

テーマ㉓「勉強をして知識を身につけよう」

    弊社は「企業の業績向上支援」の会社です。社員研修のみならず、実際の営業の現場にまで入り込み指導を行います。先日、ご支援先で営業同行を行った際の一コマです。業種は伏せますが、BtoB(法人を相手にする商売)の会社に所属する入社3年目の若手社員。新規開拓でアポイントを取得した会社への初めての訪問。挨拶、自己紹介、会社紹介、ニーズ確認、商品説明。普段のロールプレイングの成果か、淀みなくこなしていきます。しかしながらお客様の反応はイマイチ。商品の説明を細かくすればするほど興味を失っていくように見えます。いくつか理由は考えられましたが、最も大きな理由が「社会知識」の不足です。物流業界のお客様ですので「2024年問題」、「コスト増」、「円安の背景」、「DX」などの話題が出るのですが、全くついていけません。お客様から意見を求められても知識が無いため回答が出来ず、商品の話題に終始せざるを得ません。結局、お客様から見切られ次回の約束さえ取り付けることは出来ませんでした。

「営業のロールプレイングの場面」

    食品卸売業A社営業部では営業力向上のため、定期的にロールプレイングを研修に取り入れています。今回のテーマは商品の値上げです。若手営業の田中君「申し訳ございませんが、仕入価格の高騰により10月からこちらの商品の価格改定をお願いしたいと考えています。」お客様役の高田主任「なるほど。参考までに、田中さんの見解で結構ですので、なぜ仕入価格が上昇しているか、そして今後の展望など教えて頂けますか?」田中君「いや~何とも分かりません。会社からの指示で値上げをお願いしておりますので・・・」オブザーバーで見ていた山田課長は次のようにコメントしました。「田中君、新聞は読んでるかな?値上げはいまの経営を取り巻く最重要のキーワード。簡単でもいいのでその根拠は理解しておいた方が良い。営業に対する信頼に関わってくるから」

解説

    「知識と実践のどちらが大事ですか?」とよく聞かれますが、どちらも重要です。業務に関する知識は実践から得ることもできますが、実践は様々な知識によって深堀りできます。

    日頃、多くの営業マンに接する中で、商品の知識は非常に詳しく理解し説明できるものの、経済、社会情勢の話題になると途端に会話ができない方を多く見かけます。実感から言うと、相手の役職が上がれば上がるほど、商談の内容は商品・サービスの話題を離れていきます。政治・経済・社会情勢の知識を有しているのはもちろんのこと、自分なりの見解も求められます。今回は勉強し知識を得ることの重要性を解説します。

1.知識がなければ議論もできない

    6月1日号のコラムでも説明しましたが役職、立場を超えた自由闊達な議論から利益は生まれていく、と私は信じています。しかしながらここには大きな前提条件があります。メンバーが一定の知識を持ち、前向きであるということです。知識がなければ身の回りの課題しか目につきません。「〇〇さんが悪い」などの次元の低い愚痴文句ではなく、視座を高めた課題意識からしか本当の改善や利益につながる議論はできません。

2.知識はアウトプットをして自分のものとなる

    知識は本を読む、人から聞くだけでは蓄積されず、すぐに消えてしまいます。得た知識は「誰かに話す」、「手を動かし書く」、「実行する」こと、つまりアウトプットをすることで始めて自分のスキルとして定着していきます。

3.身につけておくべき知識 

    それでは、顧客から、社内で評価を高めていくために身につけておくべき知識はどのようなものがあるでしょうか。

①基礎知識

    読み書きソロバン(算数の知識や言葉づかいが)、礼儀礼節、など、仕事の前に人として身につけるべき知識があてはまります。

②業務知識

    仕事の進め方、商品の仕様、機械の操作方法など、職務をこなしていくために必要な知識のこと。上司、先輩から学び、量をこなし実践していくことによって身についていきます。

③専門知識

    競合と比べどこが優れているか、取引先のニーズに見合う提案、自社の業務を効率化するアイディアなど、課題意識を持ち勉強しなければ得ることのできない知識のこと。

④ビジネススキルの知識

    財務諸表の読み方、PDCA、タイムマネジメント、交渉力、ロジカルシンキング、プレゼン、など仕事の質を高める知識です。

⑤社会知識

    新聞や本を読みましょう。ネットニュースは自分の興味のある話題しかクリックしません。新聞であれば興味の有無に関わらず広く、政治・経済・社会の知識を得ることができます。

⑥教養

    歴史・芸術に対する知識、食やお酒のうんちく、海外・地方の文化や風習。このような話題を豊富に持っていることも意外なことに顧客との会話を膨らませる要素となり得る。

営業部では、社会知識を得るために日経新聞を全員が購読することとしました。また、アウトプットを行い知識を自分のものとするために朝礼では当日の朝刊の記事を一つ紹介し、自分なりの見解を発表する時間を設けました。

【ポイント】
継続した知識の修得はやがて大きな結果の差を産んでいく。

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