中小企業に淘汰の嵐。幹部の力で今の難局を乗り切れ!

中小企業に淘汰の嵐。幹部の力で今の難局を乗り切れ!

2023/08/01

中小企業に淘汰の嵐。幹部の力で今の難局を乗り切れ!

■今年はリーマンショック以降、最も厳しい年となる

 2023年上期(1~6月)の倒産件数が前年同期に比べ倍増の4000件台となった。今後、物価、エネルギー高に加え、人手不足もあり、リーマンショック後、最も多い倒産件数となるはずだ。ガソリン、電気、ガスの補助金も廃止もしくは10月以降は未確定。食品もまだまだ値上げが続く。財務内容が強固で賃上げができる企業はごく一部。中小企業は賃上げしたくてもなかなかできない。賃上げどころか賞与も支払えない企業も多い。設備更新もできず、モチベーションも下がり、競争力を失う。そして市場から撤退、つまり倒産という事態になる。これは人ごとではない。今どんなに業績が好調であっても、変化の激しい時代はすぐ風向きが変わり、逆回転しかねない。企業はほっとけば倒産する。現状維持でも倒産する。全社員の危機感が無ければ倒産する。極めて存続することが難しいのが「経営」なのだ。

今期の実績が企業としての真の実力

 コロナ禍で特需があった業界は急激に価格が下落し、すでにコロナ禍前の水準に戻っている。しかしその間、人件費やエネルギーコストは上がり続け、赤字に転換している企業も目立つ。飲食業やホテル業も顧客は戻ってもアルバイトや料理人、清掃員が不足しているため、満席、満室にすることができない。利益が出ているかといえばそうでもない。住宅、不動産業界も深刻だ。土地建築コストが上がり住宅相場が一気に跳ね上がった。売れない状態が続いている。今年が企業としての真の実力だ。企業変革、組織変革、幹部変革がなければ、生き残ることはできない。

■いまの経営環境を乗り切る幹部の打つべき

 経営環境が目まぐるしく変わる。コロナ禍での特需、そしてその反動。ウクライナ戦争。エネルギー、食品、資材の高騰。経験したことのない人手不足。電気自動車(EV車)の生産、販売が本格化するため、車の家電化が加速。チャットGPTによる様々な業界の消滅。先のことは誰も予想できない。幹部の仕事は3年後のご馳走より、今日のパンだ。「今」を乗り切ることによって未来の道は開ける。幹部が現場で実践する戦略と、幹部としての姿勢は次の通り。

戦略編

1.自社の強で勝つ

 自社の強みをあまりにも知らず驚くことがある。悪いことはいくらでも言える。しかし強みとなると、全く理解していない。なぜ我が社と取引しているのか?その取引理由を考える。メリットがあるから取引しているはずだ。社内で「自社の強みは…」を議論するのも効果的だ。

2.スピードで勝つ

 スピードとは企業風土そのものだ。やるべきことを決めるスピード。決めたことを実行に移すスピード。実行したことを成果につなげるスピード。問い合わせに対するスピード。提案するスピード。見積りを出すスピード。クレーム対応へのスピード。速いは熱意であり、仕事に取り組む姿勢そのもの。報連相や緻密な行動計画といった基本の徹底もスピードにつながる。その基本を徹底させることも立派な戦略である。

3.増客(新規開拓)で勝つ

 取引件数はいつの時代も重要だ。既存得意先での売上拡大は100%無理。素晴らしい得意先もいつまで取引きできるかわからない。新規開拓で得意先の入替が可能な準備が必要。何よりも増客ができる組織は「攻め」の空気が漂っている。活気があり目標達成に向けての「熱」を感じる。新規開拓も泥臭くアポイントを取るやり方が最も実力がつく。新規開拓を1年さぼったら営業力は思った以上に低下する。幹部はそこを忘れてはいけない。

4.効率 (生産性)で勝つ

 効率とは仕事の中身、優先順位、時間の使い方である。そして、かけたコストに対しての付加価値(粗利益)も効率を見る指標だ。特に営業の生産性の格差は大きい。幹部は部下一人ひとりの仕事の現状を把握することだ。受注できる最高値で受注しているか。受注が難しい先への企画書、図面、見積もりに時間をかけていないか。訪問はするが、キーマン担当者不在の空振り営業になっていないか。率にも注目して頂きたい。率とは質である。受注率。粗利益率。営業利益率。質は高効率につながり高い生産性となる。

幹部としての姿勢

.幹部自身が 割に合わない」と思っていないか

 ズバリ幹部の仕事は割に合わない。ずば抜けて賃金が高いわけでもない。目標を与えられ、部下育成まで責任を負う。しかも働く時間も長い。割に合う幹部は日本中探しても見つからないはずだ。幹部が心のどこかで割りに合わないと思ったら部下は言動で見抜く。そして役職がついたらきつくなると上を目指さなくなる。幹部がこのような思考では人は育たない。やり切る力、目標達成意欲が低い幹部が割に合わないと嘆いているだけだ。

2.「会社がなんとかしてくれる」すべてが甘くなる

 経営者は資金繰りを命の次に大事だと考える。その資金繰りも売上や利益が未達ならいずれ行き詰まる。その一方、目標未達でも会社が何とかしてくれると、本音ではそう思っている幹部も存在する。目標未達でも心のどこかに、そんな気持ちがあるから部下に真剣さが全く伝わらない。心に刺さらないわけだ。人育ての基本は上に立つ幹部のド真剣さにある。「会社が何とかしてくれる」これでは組織に甘え、ゆるみが生じる。幹部がまずその思考を全て断ち切ることだ。

3.「こんなことはできない」と、はなからあきらめるな

 まず組織で決定されたことは絶対である。幹部にその認識が弱ければ、「できない」が先行し、万年未達の負け癖がついてしまう。幹部がそんな思考回路では目標にひた走る組織を創ることは不可能。与えられた目標をやるにはどうしたらよいのか、何が足りないのかを脳がはちきれんばかり考え抜くことだ。世の中、赤字企業が70%を占める。そう簡単に儲けさせてはくれない。幹部であるあなた自身の「必ずやる」という精神があってこそ目標達成への突破口が見えてくる。

4.基本のレベルを上げろ

 例えば挨拶。やっているかといえばやっていると答える。全員が気持ち良い挨拶を実践しているかと問うと、グーンと下がる。挨拶一つでも、全員が徹底するとライバルとの差別化につながる。それが基本のレベルを上げろ、ということだ。できて当たり前に磨きをかけることによってライバルが追随できない強い体質を創り上げていくものだ。「この程度のことはできている」そこに落とし穴が潜んでいる。

年連続目標未達なら幹部を入れ替えろ

 2年連続業績が低迷すると3年目はさらに悪化する。業績が悪化する組織の長は、動きが悪くチャレンジ精神がない。目標達成までの対策も具体性に欠ける。決めたことをやり切る力が弱い。すぐに諦め、妥協する。しまいには、未達の原因を部下のせい、会社のせい、市場のせいにする。思いあたる節があれば真摯に心を入れ替えるべきだ。

ワンポイントトーク
【どんなに厳しい環境でも絶対に目標を達成する。これがリーダーとしての絶対条件である!】

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