ロープレは個人のスキルと組織力アップの最善策だ!

ロープレは個人のスキルと組織力アップの最善策だ!

2024/11/10

ロープレは個人のスキルと組織力アップの最善策だ!

テーマ⑤ロープレは個人のスキルと組織力アップの最善策だ!

◆ある企業の取り組み~毎朝ロープレ~

    弊社のお客様で建築業を営む会社様が実施している、素晴らしい取り組みをご紹介します。それが、朝礼の一コマとして、毎朝15分間のロープレを行うということです。ロープレとは、様々な商談の場面を想定し、営業役とお客様役に分かれ、模擬商談を進めていくというもの。テーマは多岐にわたります。初回面談、付帯商品の提案、断られたときの応酬話法、夫婦だけのお客様ではなく、ご両親が同席された場合、など。前日までに翌日のテーマを周知し、当日を迎えます。

    ここまで聞くと、「ロープレは弊社もよく実施している」とか、「新人時代に毎日のようにやらされた」などの感想を持つ方もいらっしゃるかもしれません。事実、新人・若手社員を営業役として教育の一環としてロープレを行う企業様は非常に多いですし、弊社の営業支援、研修の中でも必ずプログラムの中に入れています。

    しかし、前述した企業様の毎朝ロープレの特徴は、まず、営業役をベテラン、トップセールスマンが行うということ。また、高額契約など、成果を上げた営業が、その際に使ったトークをロープレの中で披露するというものです。本コラムの第2号でも解説した通り、営業力とは「個人の力」と「チームの力」の掛け算です。あえて優秀な人間がロープレの営業役を担当することで、有効なトークが組織全体に共有ができ、営業の標準化を図ることができます。また、ノウハウの独り占めを防ぐことができます。そして、マンネリの出てきたベテランに対するプレッシャーにもなるのです。

◆このようなロープレは意味がない

   次に、成果の望めないロープレを紹介します。このようなロープレを行う組織が実に多いのも事実です。

①テーマを決めない

    「普段やっている商談をそのまま再現してください。」では、学ぶポイントが明確になりません。毎回、場面ごと、商品ごと、など細かく設定を行ってください。

②時間が長い

    通常、商談時間は1時間以上かかることも多いです。だからと言って、ロープレも実際の商談時間と同じく長時間行っていては効果がありません。10分もしくは15分で終了するようにしてください。長すぎるロープレは、そもそも演技ですので集中力も途切れますし、振り返りのコメントもピントがぼけたものとなります。

③フィードバックがダメ出しばかり

    そもそも新人・若手がロープレを行う目的は、営業スキルを向上させ自信をもって本番に臨むことができるようになることです。大勢の前で欠点を指摘され、叩きのめされるだけで、モチベーションが上がるでしょうか。1000%あり得ません。欠点を指摘するのであれば、言い方を工夫し、どうやればよいかの改善策を提示する。また、良かった点も伝え動機付けまで行わなければなりません。

④オブザーバーがただのギャラリー   

    オブザーバーはただの傍観者ではありません。課題をきちんと把握し、指摘してください。また、効果的な話法を抽出し、皆に共有することも重要な役割。常に当事者意識をもってロープレを見守り、参加する必要があります。

◆効果的なロープレとは

    効果的なロープレを行うためにおさえておく点が次の通りです。

①ロープレのテーマ例

    ロープレで取り上げるべき代表的なテーマ例を紹介します。「初回訪問・面談の挨拶および自己紹介」、「自社の紹介」、「個人的な雑談」、「ニュース・時事問題・業界動向」、「課題ヒアリング」、「商品説明」、「商品の強み、競合との違い」、「購入後の未来を語る」、「購入者の声」、「クロージング」、「購入後のアフターフォロー」などがあります。重要な点はいかに設定を細かくするか、実際に商談でよく遭遇するテーマになっているか、です。

②お客様役は細かな状況設定を行い「役になり切る」こと

   お客様役は営業役を評価する必要などありません。評価するのはオブザーバーです。それよりも、細かな状況設定を頭に叩き込み感情移入を行い、「役になり切る」ことの方がよっぽど臨場感が産まれ、中身のあるロープレとなります。

③チェックシートを利用

    オブザーバーにとってチェックするべきポイントがバラバラであれば、評価もバラバラとなります。そこでおすすめするのが、チェックシートです。「声に抑揚があるか」、「質問が適切か」、「話す:聞くの割合は?」、「専門用語を極力使用していないか」など、あらかじめチェックするポイントをリストアップし、オブザーバーは評価していってください。

④開催日を定例化する

 冒頭に紹介した、毎朝朝礼時に開催できれば理想でありますが、個々の営業活動もあり難しいのも事実です。しかしながら、手が空けば集まろう、では次第に実施しなくなります。そこで、毎週月曜の定例会議の中で行う、などルーティーン化することで必ずロープレを実施する習慣が産まれます。

◆ロープレは個人のスキルと組織力の両面を向上させる

    効果的なロープレは個人のスキルアップのみならず、組織全体の底上げにつながります。「誰かに依存する」のではなく、「メンバー全員の偏差値を上げる」ことにつながるのです 。いま、ロープレは行っているものの、いま一つ成果を感じられない営業リーダーの皆さん、是非、チーム全体を巻き込んだロープレを実施してください。また、正しいロープレで育った若手は、ダラけたベテランをはるかに凌駕する成果を上げることは間違いありません。

ポイント

ロープレは営業改革の切り札。個人のスキル及び組織力の大幅な向上につながる。

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