【新年号】2023年は大倒産時代の幕開け。生き残りのサバイバルを幹部はこう乗り切れ!

【新年号】2023年は大倒産時代の幕開け。生き残りのサバイバルを幹部はこう乗り切れ!

2023/01/05

【新年号】2023年は大倒産時代の幕開け。生き残りのサバイバルを幹部はこう乗り切れ!

■一強多弱が本格化する2023年

 日本の総人口1億2500万人、法人企業270万社。これが27年後の2050年には総人口1億人と20%減少し、平均年齢54.2歳と世界一の老人国家となる。それに伴い、法人数も激減する。現状より40%減少し160万社程度と予想する。なんと110万社が消滅することになる。その兆候は2023年から肌で感じ、目に見える形になるはずだ。これまで経験のない大倒産時代が到来する。この流れは、避けては通れない。社会構造が一強多弱を求めているのだ。

■2023年経営環境はこう変わる

 コンサルティング現場に入ると、今後の市場が統計、データ以上に的中することが多い。気象学が発達していない昔の漁師が前日の夜の風向きで天候をピタリと当てるように。2023年は次のような経営環境になる。用意周到な準備と対策が必要だ。

倒産件数急拡大

 「コロナ融資」の効果がいよいよ消える。実際2022年5月から倒産件数は拡大している。2023年春からコロナ融資の返済が本格化する。価格転嫁が出来ない。主要得意先の業績低迷。人材不足で稼働できない。その他にも後継者不足での廃業も多くなる。与信管理は一段と厳しい眼が必要だ。

②価格転嫁ができない企業戦略

 全ての企業が競争力ある商品を扱っているわけではない。差別化が難しい商品、サービスを扱っている企業が圧倒的に多い。原材料高、エネルギー高が今後も続く。現実に企業間の取引を意味する企業物価指数は前年10%アップ。ところが消費者物価指数は3%にとどまる。差額の7%は流通段階でどこかの企業が収益を悪化させているわけだ。差別化ができない企業は薄利多売で大きく売上を伸ばし利益を確保するしかない。その一方、売上を伸ばせない企業は淘汰される。これが残存者利益だ。

採用がより困難、人材不足がさらに深刻になる

 とにかく人が集まらない。優秀人材はやはり大手志望が圧倒的だ。その中で優秀な人材を確保するには①賃金水準②労働時間③働きがい。初任給で大幅に差があると説明会にさえ来ない。かと言って、賃金が高くても労働時間が長くては優秀人材は入ってこない。実際、働きがいは会社に入って上司、先輩を見て感じ取っていく。賃金を上げ、時短を実現するには労働生産性を上げ、高い利益を確保するしかない。

④増税、金融緩和修正の可能性あり

 コロナ対策費94兆円。今回の旅行支援5600億円。これもどこかで税金として徴収される。国防費増額のため、いま法人税アップが提案されているがいずれ消費税まで話が出てくるはずだ。2023年に異次元の金融緩和に取り組んだ日銀、黒田総裁が退任する。ひょっとすると見直しがあるかもしれない。企業は金利上昇に備えたほうが良さそうだ。

■どのような厳しい環境にも対応できる5つの経営

 経営とは環境適応業。市場の変化に素早く対応しなければならない。これまでも何度も記載したが「変化対応=基本の徹底×決めた事をやり切る」で決まる。売上が伸びない、利益が出ない、人が育たない、はそこの徹底力が弱く薄っぺらいだけである。激変する経営環境の中で、全社員が一丸となって次の5つの経営を推進して頂きたい。

1.理念経営

 理念の浸透弱き企業は愛社心と一体感に欠ける。全社員が同じ方向を向かないバラバラ集団だ。仮に個の力があったとしても組織力は発揮できない。テレワークが進み働き方の多様性が認知されてきた。それだけに経営理念の浸透が困難になった。究極、経営理念の浸透は業績向上の最強の武器となる。一人の10歩より100人の1歩を生み、圧倒的スピードで死に物狂いで仕事に取り組む。そんな企業に勝てるわけがない。高収益企業は宗教っぽいニオイさえ感じる。それは経営理念の浸透が図られている証とも言える。

2.戦略経営

 中小企業で戦略の差はほとんどない。ネット社会において収益が高いビジネスモデルは色々な所から情報入手が簡単にできる。いまや戦略とは「徹底してやり切る」実はその差なのだ。まさに微差が大差となる。収益力の低い企業はやり切るマネジメントに大きな問題がある。100%幹部の責任。幹部が誰よりも己に厳しく、熱があり、モーレツに動く事だ。そうでないと部下は本気で動くことはない。

3.組織経営

 組織図は立派でもそれを束ねる「幹部」がしっかりしなければ組織は機能しない。ツイッター社を買収したイーロンマスク氏は一通のメールで半分の社員を“レイオフ”クビにした。それどころか激務を容認しない幹部には退社を迫り、更に1000人の社員が会社を去った。日本では考えられないやり方だ。しかしよく考えると一理ある。それだけ収益管理に厳しく、ハードワークせよということである。そこにアメリカ企業の強さがあるのかもしれない。失われた30年。日本企業は甘く、ゆるくなったと切に感じる。組織経営とは幹部の責任感であり目標を何が何でも達成するんだという強烈な想いで成り立つ。

4.先行経営

 先月号にも記載したが、先行経営とは逆算の事である。目標があって期限がある。 まず現在の人材、顧客、商品でどこまで到達するかをいち早く把握する。 そこで差額が見えてくる。今度はその差額を埋める対策を立て、実行し成果を上げる。 それも進捗を見ながら。どんなに経営管理ツールが進化しようと、その思考は変わらない普遍の原理である。 それが出来ない幹部は自らに甘い、甘部だからだ。

5.タンクロ経営

 1年は12ヶ月。例えば5つの収益部門(営業所)があれば12×5で60ヶ月となる。タンクロとは単月黒字のこと。60戦、60勝無敗。つまり赤字の月がどの部門も無い。これが高収益企業の思考である。そこには「赤字は悪」という考え方が骨の髄まで浸透している。赤字社員、赤字得意先、赤字商品が皆無なのだ。タンクロ経営を実現している企業は売上高、粗利益額、粗利益率、毎月のコストまで全社員が頭の中に徹底的に叩き込まれている。

■寝ぼけた幹部ではサバイバル時代、生き残れない

 年間に何千人という管理職に会う。色々悩みを持っている。その悩みの質にあ然とすることがあまりにも多い。管理職である自身のモチベーションが上がりません。辞めたら困るので部下に厳しい指導ができません。立てた目標が高すぎるんです。部下が無能で全く成長しません…コイツは何を寝ぼけているんだと声をはり上げ強烈な喝を入れることもある。幹部の仕事とは2点。一つは目標を達成すること。二つ目は人を育てること。部下が育たないと悩む前に幹部であるあなたは成長しているのか。そこをクリアしないと業績低迷は確実だ。そうなると市場、顧客からレッドカードを突き付けられ赤字に陥り危機的状況となる。

(株式会社経営支援センター 国吉拡)

※本年も実践的内容で執筆して参ります

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【ビジネスモデルは真似できても人は真似できない。今後は、人が成長している企業しか生き残れない!】

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