闘争心を持ちデータを駆使したマネジメントを実践せよ!

闘争心を持ちデータを駆使したマネジメントを実践せよ!

2022/06/01

闘争心を持ちデータを駆使したマネジメントを実践せよ!

■6月以降の経営環境はこう変わる

 先月号で年内に為替レートは130円まで下がると記載した。ところが4月28日には20年ぶりに130円を突破。インフレ統制を目的にするアメリカの素早い利上げで、日米の金利差2.8%。そのため円を売りドルを買う。この先も円安の可能性が高い。日本の国家予算108兆円。そのうち国債の返済が約25兆円と23%を占める。利上をすると返済が増し使える予算が減少する。まさに八方塞がりの状態。先が見通せない中、当面の経営課題は次の3点。

世界同時不況で企業収益が悪化する

 中国はゼロコロナ政策でこの4〜6月マイナス成長の可能性もある。改革開放政策から40年。一気に世界第2位の経済大国となって以来の低成長。アメリカも利上げで企業収益が大きく落ち込む。ヨーロッパはロシアによる軍事連行でエネルギー価格が急上昇。当然、消費も落ち込む。日本の輸出関連企業は世界で稼げる「場」がない。

資源高、円安で6割高も最終消費は5%しか上がらず

 消費者が直接、手に取る最終製品は5%しか価格転嫁できていない。顧客が直接消費者の小売、住宅、飲食などは収益悪化は避けられない。長くデフレ(安さ)に慣れ親しんだ結果、値上げをすると顧客離れが一気に起きる。

中国の経済復活でさらなる仕入高と品不足が起きる

 3期目を視野に入れる習近平首席はコロナに厳しい対策を取る。問題はその後だ。4〜6月マイナス成長も予想される。本格的な暑さになる7月にはコロナも落ち着くはずだ。そこで一気に経済に火がつく。ロックダウン中の上海の人口が2250万人。誠か嘘か分からないが新車が数台しか売れていないとも。そこを見通した仕入、在庫戦略も必要だ。

■24時間戦えますか。その令和版の体質を創れ

 バブル全盛期の1988年。三共リゲインのCM「24時間戦えますか。」強烈なインパクトを残したCMであった。今ではブラック企業扱いされるフレーズだ。しかし、である。法令遵守(コンプライアンス)を徹底した上でその精神を持てる企業は競争力が極めて高い。いまなお高収益企業の共通点でもある。経営者なら誰でも思っている。経営とは生きるか、死ぬか、の命がけの戦いだと。闘争心とはやり抜く力、諦めない力、突破する力を言う。弱いリーダーはその闘争心がまるで感じない。これでは部下をぐいぐい引っ張っていくことは不可能。リーダーとしての適性がないと断言する。

■具体的な指導とは常に数字で裏付けられる

 リーダーシップとはリーダー自らが強い闘争心を持ち、数字、データで指示ができる。気合が足りない。もっと頑張れ、動きが悪い・・・。これでは全く成果がでない。部下が脳裏にやきつくイメージが分かないからだ。マネジメントに必要な数字、データの活用、指導方法は次の8点。

1.実態を分析し指標にする

 最も簡単な手法だ。一年間のデータを分解しまとめてみる。例えば新規見込み先が5件。それを徹底フォローした結果1件契約。1件あたり年間200万円の取引実績。新規目標が年間600万円とすると15件の新規見込み先が必要となる。結果に至るプロセスを分析した実践科学。ビジネスとはある面、統計学である。

2.取引件数と一件あたりの売上

  取引件数は行動量に比例し、一件あたりの売上は提案力に比例する。新人、若手社員は取引件数にこだわりを持っていただきたい。バイタリティある行動は成功も失敗も自らのノウハウとして体にすり込まれる。そこに専門知識を得ることで1件あたりの売上が急拡大する。

3.契約率と不成約の作業時間の確認

 見積りを月に30件提出。契約率が50%とすると15件の契約。契約率が高いほど効率的な仕事で労働時間削減にもつながる。失注の作業時間もはじき出してほしい。中には資料、見積り作成に5時間かかった。しかし失注。大きな時間ロスとなる。更に突っ込んで部下に聞いてみると、その見積り契約できるのか。受注は難しいです。なぜ時間をかけて見積りを作っているのか。とりあえず顧客が出せと言ったからです。不成約の半分以上が、契約できないとわかっていながら見積り作成をしている。そこに鋭くメスを入れろ。

4.見込発生から契約までの日数を把握

 A君は見込発生から契約まで30日。平均受注額は100万円。B君は契約まで40日。平均受注額は50万円。これは事前準備、顧客への具体的提案と営業の質が格段に違う証明。見込発生から契約までの期間が短い営業は的を得ており、粗利益率も高く契約率も高い。それはリーダーの指導でいくらでも改善可能だ。

5.競合からの切り替えも2度の大反撃がやってくる

 競合から主要な商品を自社商品に切り替えに成功。喜ぶのも束の間。競合は必ず再攻撃、反転に出てくる。切り替えに成功したとはいえ、その反転に負け、またまた元のさやに戻る。この様なケースは市場が成熟した業界では毎度のことだ。切り替えに成功しても2回の再攻撃が待ち受けていると心せよ。それを乗り越えてこそ、真の顧客となる。

6.営業の怠慢が「休眠顧客」を創る

 新規リストの中で休眠顧客が目立つ企業がある。もちろん与信含めこちらから取引を停止した先もある。しかしほとんどが訪問不足、クレーム、担当変更の後に訪問頻度が下がりライバルに奪われた。断然そっちが多い。これもマネジメントの問題だ。

7.顧客と連絡がつかずクロージングができない

 消費者が顧客のケースつまりBtoCに多い。初回面談から提案、そして概算の予算提示。契約は固いと本人は自信を持つ。ところがである。最終打合せや、正式見積りの段階で突然連絡が取れなくなる。この流れになると、時すでに遅し、である。問題は初回面談から提案までに本物の信頼関係が構築できてなかっただけである。クロージングとは最後に大きな声で購入お願いします、ではない。毎回の商談での信頼構築こそが本物のクロージングである。

8.部下の言動で成果は見通せる

 受注できるのか?「見積りを出してみないとわかりません。」受注ポイントは?「価格です。」いつ見積り持参するのか?「郵送してと言われています。」これは99%受注できない典型的な事例。提案や信頼関係が薄っぺらいのだ。リーダーが部下に受注できるのかの問いに対して「はい90%以上の確率で受注できます。なぜかと言うと〇〇だからです。」生産性高い人間は具体的に受注理由が答えられる。

■リーダーは仕事中毒たれ

 過激な表現だがそれ位の仕事への想いがなければ強いリーダーシップは発揮できない。とにかく世の中があまりにも甘くなりすぎた。厳しい言い方だが国の政策は弱者救済ではなく、怠け者救済に感じる。強い意志と圧倒的な行動力があれば勝てる時代でもある。「24時間戦えますか」その精神は仕事を通して成長するんだと言う強い意気込みを感じる。

(株式会社経営支援センター 国吉拡)

ワンポイントトーク
【リーダーは、厳しい経営環境をピンチとして捉えるのではなく、自ら先導しチャンスに変革せよ!!】

お電話でのお問い合わせはこちら

03-5877-2540

FAX:03-4500-9660

よく読まれている記事