1匹のオオカミに率いられた100匹の羊の群れ

1匹のオオカミに率いられた100匹の羊の群れ

2024/07/01

1匹のオオカミに率いられた100匹の羊の群れ

テーマ①「1匹のオオカミに率いられた100匹の羊の群れ」

    私ども(株)経営支援センターは、前進となる(株)ブリングアップ時代より1,000社を超えるクライアント様の業績向上支援、営業人財の育成を行ってきました。また、私も営業支援コンサルタントとして、各企業様の現場に入り込みご支援、研修を行っています。その中でいつも感じる一つの原則があります。「1匹のオオカミに率いられた100匹の羊の群れは、1匹の羊に率いられた100匹のオオカミの群れに勝る」ということです。これは、リーダーが優秀であれば、経験値・スキルの低い部下のチームであっても勝利を得ることができるという意味で、大帝国を築いたナポレオンの名言として有名です。逆にリーダーが凡庸であれば、いくら部下が優秀でも成果を上げることはできません。リーダーの優秀さとは、単なるプレーヤーとしての優秀さではありません。①戦略を立案し、②部下を育成、鼓舞しヤル気にさせ、③時には自ら率先垂範し行動することで、組織目標を達成する、という意味です。

    今月より、「最強の営業部隊をつくるリーダーの条件」と題し、私自身が新規事業の立上げ責任者としてチームを収益化させた経験、そして、コンサルタントとして各企業様の業績向上支援を行ってきた経験をもとに、成果を上げるリーダーの条件を解説して参ります。チームの目標達成を目指し、日々悪戦苦闘している営業リーダーの皆様、是非このコラムを参考にし、成果を上げるヒントを得ていただければ幸いです。

 「各営業のスキルは高い、しかし目標が達成できない」

    以前営業支援を行った、ある会社様での事例です。売上向上のため、営業現場の同行、営業研修を行います。その中で、チームの数字も、また、各メンバーの個人別の数字も、いま一つ結果が出ず、悩んでいる拠点長と面談を行いました。拠点長いわく、「各営業のモチベーション、スキルともに不足しています。お客様への接し方も改善点が多いですし、提案もピントがあっていません。目標達成をしたいと思わないのでしょうか。」この発言を聞きながら、私は非常にモヤモヤとした思いを感じました。「スキルが低いのであれば、具体的な指導を行えばよいのではないか。モチベーションが低いのであれば、ヤル気を引き出す接し方をすればよいのではないか。そもそも、数字が低迷している原因は各営業のスキルだけか、戦略など、他に問題はないか」と。

    次に、その拠点で営業研修を行いました。実際の営業のレベルを確認するため、初見から商品提案までのロールプレイングをやっていただきました。衝撃を受けました。非常にレベルが高いのです。 「見事なまでの雑談力」、 「仕様の説明ではなく購入後の未来を想像させるストーリーテラー」、「金額が高い、と言われたときの応酬話法」、「決断を迫るため期限を設定する」、「次回のアポを取得するために宿題を設定する」、など。私自身、数多くの営業研修を実施してきましたが、これほどまでに営業力の高い集団を見たこ

とはありません。他業界、他社に行けばすぐにトップ営業になれるのではないか、とも感じました。つまり、売上が低迷しているこのリーダーは、問題の真の原因に気づいていない、もしくは、気づいているにも関わらず、安易に営業のスキル不足に原因を帰結させているに過ぎなかったのです。この組織の問題はズバリ、モチベーションと戦略の欠如でした。それでは、業績を向上させるリーダーの条件と心構えはどのようなものでしょうか。

1.「部下が悪い」ではなく、「部下を成長させない自分が悪い」

    確かに出来の悪い部下は存在します。しかし、「あいつは言っても無駄だ」と安易にあきらめてはいないでしょうか。会社に「面倒を見なくても良い」と言われるまでは根気強く接し、少しずつでも良いので成長させなければなりません。また、他人に部下の悪口を言うことは、自分の指導力の無さを公言しているにすぎません。リーダーこそ、原因自分論に徹しなければなりません。

2.スキル(やり方や知識)の前にヤル気とキアコン

    やり方や知識を指導する前に重要なこと、それがヤル気とキアコン(気合と根性)をいかにメンバーにもってもらうか、です。営業は科学です。しかし、ヤル気という土台がなければ、科学とはなりえません。なぜなら、ヤル気がなければ母数(行動量)も増えず、統計学(科学)にならないからです。リーダーはメンバーを鼓舞し、モチベーションを高める接し方をしなければなりません。そのために取り組むことが次の通り。

①リーダー自身がモチベーションが高いか

②「育ってほしい」という愛情を持っているか

③ヤル気は後からついてくる。結果を出させる指導をしているか

④意見をきく。腹を割ってじっくりと議論をしているか

⑤ポジティブな声がけをしているか

3.戦略を持つ

    過去の自分の経験だけで指導するのは非常に危険です。なぜなら変化の激しい昨今、昔のやり方が常に通用するとは限りません。そのために、まずは自ら現場に出ること、そして新聞、専門誌、ビジネス書を読み幅広い知識を身につけること。そうすることで、先入観にとらわれない課題分析をすることができ、効果的な戦略を持つことができます。

4.絶対目標を達成するんだ、という強い意志

    リーダー自身が目標へのこだわりを失ってしまうと、チームメンバーにもその空気は派生します。数字に執着をすることが肝要。

ポイント

    最近よく、このような言説を耳にします。「管理職になりたくない、中堅・若手が増えている」と。非常に寂しい話です。確かに管理職はカバーすべき領域は多く忙しいですが、その分、やりがいも桁違いに大きいです。営業リーダーの皆さん、結果を出し、部下から「早くリーダーになりたい」、と思われる存在になろうではありませんか。それが成長する健全な組織の在り方です。

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