「逆算」マネジメントが出来てこそ一流のリーダーだ!

「逆算」マネジメントが出来てこそ一流のリーダーだ!

2022/12/01

「逆算」マネジメントが出来てこそ一流のリーダーだ!

■「逆算」マネジメントが出来ているリーダーはごく少数

 仕事とは全てに期限があり目標が設定されている。その時間軸を考え、先手先行で手を打つ。これが逆算マネジメントである。足し算ではなく、逆算とは引き算だ。この単純、シンプルなマネジメントに苦戦をしいられているリーダーが多い。それではなぜできないのか?ズバリ言うと真剣さに欠け、自らに甘く、深く考えてないからである。それにスピード感が全く足りていない。全身全霊で仕事に向き合えば自然に逆算思考となる。逆算マネジメントはいうほど簡単ではない。

■業績悪化企業の課題は営業力だ

 仕事を取るという営業は車でいえばエンジン。そのエンジンが故障すると車は走らない。それは企業と全く同様。受注がなければ工場は稼働しない。総務や経理という間接部門も必要がなくなる。コンサルタントとして独立して26年になる。売上10億から100憶へ。中には1兆円近くになった支援先もある。その経験からいうと販売会社であろうと、メーカーだろうが伸び続けている企業は圧倒的な営業力だ。営業力が強ければ顧客ニーズを組み込んだ商品開発も可能となる。しかも人が育つ。その営業力強化の最大のポイントが先の逆算マネジメントにある。

■好景気は国家に頼れない。自らで好景気を創り上げろ

 失われた30年。日本はもはや決して豊かな国ではない。かつて一人当たり賃金も世界トップクラス。今や22位に転落。人口は2050年に1億人を割る。これは、20%の減少。人類がこれまで経験したことがない超高齢化社会に突入する。65歳以上の人口が約4000万人と2.5人に1人が高齢者なのだ。歴史上、人口が減少し繫栄した国家は存在しない。インフレ、物価高は当面続き社会保障費、防衛費も増えるのは間違いない。税収確保のためにあらゆる税金が上がっていく。消費マインドも上がらず、まさに負の連鎖が始まる。消費税アップの話もそろそろ聞こえてくるはずだ。国内の景気は絶対に回復しない。むしろ落ち込む一方だ。もはや景気とは自らの企業で創り上げるもの。一年前と同じことをやっていたら売上は20%減少する。仕事のやり方を見直し、新しいことに挑戦する「変革」が必要だ。それが出来る企業は高収益となり圧倒的な一人勝ちとなる。

■目標達成する逆算マネジメントのポイント

 逆算とは先行管理でもある。まず目標設定の期限を明確にする。その期間、時間内で何をどうすれば目標に最短で届くかを考え行動する。常に目標達成しているリーダーはこのような思考で仕事を進めている。その基本が骨の髄まで浸透しているだけだ。逆算マネジメントのポイントは次の8点。

1.目標達成するんだという本気の思考を持て

 目標未達のリーダーは本音では「出来ない」と思っている。言葉では「やります」「できます」と答えるが、その裏付けも弱く具体性に欠ける。こんな高い目標できるわけがない。環境が厳しい。このメンバーでは戦えない、と。月初は目標達成します。中旬になると、頑張ります。月末になると、すみません、来月頑張ります。熱意、情熱、施策、行動、スピード、全てが不足。リーダー不適格と言わざるを得ない。

2.目標達成までのあらゆる不足を押さえろ

 現状メンバー、顧客、商品力でどこまで売上を伸ばすことが出来るのかをシビアに判断する。その時、重要なことは「厳しめ」に見ることだ。それによって目標達成までの差額が明確になる。その差額対策をいち早く行動に移すことだ。誰でもそんなことはやっているという。しかしながらほとんど見通しが甘く、対策も抽象的。行動力も弱く、これでは成果は残せない。リーダーの仕事に対する危機感の欠如が弱体化した組織風土を創るのだ。

3.リーダーは常に不安、恐さ、最悪を想定せよ

 不安、恐さ、最悪を想定できるリーダーは危機意識の高さ、強さがあるからだ。仕事に追い風、下り坂は存在しない。向かい風、険しい坂道との戦い。楽観主義では計画が雑で行動も弱く売上を大きく落としてしまう。悲観的だからこそ、ち密な計画を打ち立て具体的行動で成果は上がる。

4.部下一人ひとりに目標達成までのやり方を落とし込め

 「頑張れ・・・」ではダメだということだ。頑張り方を部下一人ひとりの状況によって的確に指導することである。それも常に進ちょく状況をリーダーがチェックする。それ位きめ細かい対応ができなければ部下は目標達成することは出来ない。実際支援先で優秀なリーダーは部下に対しどの得意先に、どの商品を、どのように販売せよ、と驚くほど細かい指示を出している。あなたはどこまでできているか?

5.全ての営業マンの業績の柱を創る

 目標を達成するには柱づくりが重要。得意先の柱、商品の柱。そこをしっかり創ることができたら目標に届くはずだ。しかし最近、その柱が短サイクルになってきた。つまり主要得意先の業績低迷だ。売れ筋商品もこれまた短サイクル化が顕著。だからこそ常に新規開拓、新商品販売に熱を入れることが大切となる。主力得意先や主力商品が変わってこそ業績は飛躍的に伸びていく。過去に安住してはいけない。

6.顧客数の拡大を図れ

 補助金もなくなり、猶予されていた金融機関への支払いも始まった。これからはディフェンス面、与信管理もリーダーシップが問われてくる。商売で最強のリスクヘッジは顧客数拡大である。一社に依存度が高くなるとそれに振り回され取引停止になるともはや致命的。「増客経営」一社でも一人でも顧客数を拡大し売上を分散することだ。

7.仕事の中身を見直せ

 生産性低い人間は本当にムダが多い。遅くまで残業しながらも大幅な未達。むしろ結果を残している人間ほど効率的に仕事を進め時短に貢献している。リーダーはそのムダを徹底し排除することだ。空振り営業、絶対に受注できない先への見積り作成、売上が見込めない先への積極訪問、計画のない遠足営業。長時間、コンビニの駐車場でスマホをいじっている営業マンも実に多く見受ける。「人は信用しても人の行動はチェックせよ」これがプロのマネジメントだ。

8.訪問件数、行動力を強化せよ

 今も今後も変わることはない。もちろん、SNSを活用したデジタル戦略は絶対に必要だ。情報化時代の見込先づくりは情報の連鎖反応が重要。広告で見た。ネット検索で上位。ホームページが充実している。しかし仕事を取る最後のクロージングはネットでは不可能。すべて人にかかってくる。顔の見えない受注率はどうしても低くなる。つまり受注はすべて人で決まる。デジタル化時代こそ、行動強化なのだ。時代の逆を行っているようだが実はそれが先端を走っており効果抜群である。

■逆算とは基本の徹底であり、危機感そのものだ

 「逆算」マネジメントは出来て当たり前、やって当たり前のことばかりだ。しかし、である。強い意志を持ち具体的施策を実行に移しているリーダーは本当に少ない。先の見えない時代だからこそ再度、基本の徹底という原理原則に立ち戻るべきである。その基本の徹底の質こそリーダーの危機を物語っている。(株式会社経営支援センター 国吉 拡)

ワンポイントトーク
【計画のない目標は、ただの願いごと。リーダーは、目標達成までのプロセスを逆算思考で考えよ!】

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